底なし宝箱

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Mission 13

――エキスポシティ  UPEOフェイスパーク士官学校中等部  12月6日  午前11時16分――

「おい・・・いつまで寝てる気だー?」

隣の席の友達の、どこか間延びした声を聞きながら、クリスは微かに首を動かした

「後5分・・・・4分30秒でもいいから寝かせてくれ・・・・」

そう言って、クリスは再び眠ろうとした

「・・・・ったく・・・まぁいいけどさ」

隣の友達も、クリスが昨日の訓練で寝ていないのを知っていて、しかも、その時間が授業から先生の無駄な話に切り替わりつつあったのも手伝ってか、すぐに机に突っ伏して、寝息を立てて眠り始めた

「・・・・・・・・」

そんな中、クリスは寝かせてくれと言ったにもかかわらず、目を閉じたままあるコトを考えていた

(・・・・何で・・・オレを誘ったんだ?)

昨日の作戦の時からずっと考えていたコトだった

"何かを変えたい"と思ったコトがあるか?

(・・・変えたいって・・・いったい何を変える気だよ・・・・?)

クリスは首を動かして視線を机から窓の外へと移した

(そういや・・・・システムの修理どうなったかな・・・)

その呟きを最後に、クリスも眠りの国に旅立っていった

――ロスカナス  L.M.F.技術開発部第8研究室  "北真学園"  同時刻――

大きなホロ・ディスプレイに次々と映し出される数字と文字の羅列が、L.M.F.技術三佐、北真玲名の瞳に映し出されていた
それに平行して、休むコト無くキーボードの上で動かし続けていた手の動きが急に止まった

「どうしたんですか、先生?」

別のデスクに腰掛けていた研究員が、レナを読んだ

「ちょっとね・・・・この前のバクの調査依頼のコト」

レナはそう言いながら、イスを回転させてその研究員と向き合った

「たしか、先生が昔いた部隊でしたよね、調査依頼出したの」
「そうよ、私だけじゃなくてユウもいたけど・・」

レナはそう言って、再びディスプレイに向き直った
そう言えば、周りが自分のコトを先生と呼ぶようになったのはいつ頃からだろう?
レナは再びキーボードを叩き始めたが、その手が、また止まった

「・・見つけた」
「なにをです?」

研究員が再び身を乗り出してきた

「バクの原因よ、いや・・・あればバクなんかじゃない」

レナは、独白するかのように言った

「どういうコトですか?」

そう言って研究員は、ディスプレイに表示されているモノを見て、言葉を詰まらせた

「これって・・・・・スフィアのアクセス履歴じゃ・・」
「そうよ」

レナは、意外とあっさりそう言った

「さっきからエレクトロスフィアからプログラムへのアクセス履歴を調べてたんだけど、ようやく元が割れたわ」

レナはそう言って、ディスプレイのある一点を指さした

「まずシステムに侵入を試みた犯人は、ファーバンティからポートエドワーズのサーバーを経由して、それからUPEO本部に侵入して、そこから直接侵入してるわ」
「何でそんな回りくどいコトをするんですかね」
「多分、こうなるコトを予想して、ハッキング元が割れないようにする為の用心だろうけど・・・・・」

レナはそう言って、少しの間黙り込んだ

「相手は相当なプロね・・・・よほど用心しないと、行き着くのがポートエドワーズのサーバーになるように罠をはってあったし・・・」
「じゃあ、犯人は三企業ですかね?」
「さぁ・・・?そうとも限らないわ」

レナはそう言って、再びキーボードを叩き始めた
研究員も、自分の席に戻る

(SARF、か・・・・・)

作業の途中、レナは心の中で呟いた

(みんな、どうしてるかな・・・・・・)

レナの目線の先には、机の角の方に置かれている写真立ての写真があった

濱霧 緑炎さん
01.20.AM 更新