底なし宝箱

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Mission 2

「・・・・こうしてクーデター軍は壊滅し、ゼネラルリソースとニューコム、そしてUPEOの3組織間で停戦協定がなされ・・・・」

黒板の前で講義をしていた教師はそこまで喋ると、教室の一点を見つめた
窓際のその席には、茶色の髪をした少年、クリスが机に突っ伏して爆睡していた
教師は無言でそこまで歩み寄ると、手にしていた近代史の教科書でクリスの頭を思い切り叩いた
眠りの国に旅立っていたクリスはその一撃で現実の世界に引き戻された

「さっさと起きろ!」

教師はそう言いながら黒板の方に再び歩いていった

「お前さぁ、わざわざ寝に来ンなよ」
「しょうがねぇだろ、飛行訓練と出撃で出席日数ギリギリだし、出ないと留年させられるしな」

前回の作戦の翌日(正確にはその日)、クリスはUPEO本部のあるエキスポシティにあるUPEOの士官学校にきていた、そして、今までの飛行訓練と出撃で足りなかった授業日数分、全ての教科の補習授業を受けるコトとなった
全ての補習授業を終えて自分の部屋に戻ってきたときには、既に夜遅くだった

シャワーを浴びてきてたクリスはそのままベッドに倒れ込んだ
ふと、その視界にメールの着信を示すランプが点滅しているのに気づいた
キーボードに手を伸ばしてパスワードを打ち込むと、ホロ・ディスプレイにメール画面が表示された
一通目は隊長のエリックからで、自分の飛び方の注意が主な内容だった
それを一通り聞き終えると、クリスは返事のメールを打とうとして、止めた
そのまま上着を脱いでベッドに転がり込んだ、1分もすると微かな寝息が聞こえてきた

クリスにビデオメールを送った後、エリックは基地にある食堂に来て遅めの夕食を取っていた
窓際の席に腰掛けて、壁に掛けられている大きなテレビを見ていると

「よぉ、子守はどうだった?」

と、背後から声を掛けられた、声の主、SARFのメンバーで有るケイン・ハートラインはそう言って焼き魚定食が乗ったトレイを片手にエリックの向かい側の席に腰掛けた

「まぁな、そこそこの腕だったしな」

エリックはそう言って、豚カツを口に入れた

「そこそこの腕か・・・・・・あの歳でよくSARFに入れたな」

エリックはそれを聴いて振り返った

「まぁな、いくら上層部やニューコム一押しのパイロットだからってな・・・」

エリックはそこで言葉を濁した

「確かに技術はある、空間把握も出来てる、だけど・・・・」
「ムダな動きが多すぎる、それに未だどこかで戦争を遊びと思ってるみたいだしな」

エリックに言葉を先回りされて、今時はケインが言葉を濁した

「どっちにしても、今度の作戦でどうするか決めるつもりだけどな」
「決めるって・・・お前」
「SARFのリーダーは仮にもオレだからな、今度のニューコムとの合同訓練でアイツの今後を決めるつもりだ」

エリックはそう言ってトレイを手に取って、歩き去っていった
残されたケインはほんの数秒間それを見ていたが、向き直って焼き魚定食のみそ汁に手を伸ばした

「ぬるいな・・・・・・・」

そう言って、すっかり冷めたみそ汁をすすった

濱霧 緑炎さん
01.20.AM 更新