底なし宝箱

[top]   [story]   [short story]   [present]   [diary]   [offline]   [links]   [bbs]

| [トップページ] | [濱霧 緑炎さんトップ] |

Mission 5

2054年 11月5日 エキスポ・シティUPEO本部 代表執務室

「では・・・・今回我々の領空域を侵犯した機体はあなた方の所属ではないと?」

UPEO代表議員、ローザ・アーノルドは境南度か目のその言葉を口にした

『何度も申し上げましたがその通りです、我が社所属の防衛部隊はあのような高々度機は保有していませんし、第一あなた方に攻撃してなんのメリットがあるのですか』

ネットフォンのホロ・ディスプレイに表示されているのは、東洋系の男の男だった

「ですが我々があの機体の残骸を回収した結果、貴社防衛部隊で使用されている識別シグナルが発見されました、これはどういうコトです?」
『それについては私も聞きましたが、シグナルコードは大部分が破損していました、それに、墜落したのはゼネラルとニューコム製の機体なのでしょう、企業テロの可能性もあるのではないですか?』

男は、一度言葉を切った

『我が社としては、撃墜された機体の詳しいデータが発表されるまでコメントは控えさせて貰います』
「わかりました、では査察団の調査報告書が提出され次第、あなた方にも報告します」
『期待していますよ』

男がそう言うと同時にネットフォンが閉じられて、ホロ・ディスプレイにはエレクトロスフィアの明るい画面が表示された
代表はホロ・ディスプレイを閉じると、大きく息を吐いた

「清流公社・・・・厄介者ですね」

机の向かい側に経っていた女秘書はそう言うと、手にしていたファイルを開いて、中の書類を読み始めた

「カランダビーチの沖合で墜落した機体、4機の残骸とフライトレコーダーが発見されましたが、フライトレコーダーの中身は全て消去されていたとのことです」
「そう・・・・これでまた停戦協定が難航するわね・・・・・・・」
「それと、迎撃に当たったパイロットから報告書が提出されました」

女秘書はそう言って、手にしていたファイルを代表に手渡した

「・・・・・・・そう言えば、3企業からの軍事増強はどうなったの?」

代表は、クリスが提出した報告書に目を通しながら女秘書に尋ねた

「ニューコムはR-103を、ゼネラルはXFA-36Cを提供するとのコトです」
「そう・・・・・やっぱり旧型器ね・・・配備されるのはいつ頃?」
「今週中にSARFに納入が開始されます」
「SARF・・・・・・あの少年が配備されている部隊ね・・・・・・」

代表は誰ともなくそう呟くと、窓の外を見つめた

3日後
スコフィールド高原 UPEO空軍基地上空

雲一つない大空を一機の戦闘機が飛行し雲を残して飛行していた。
流線型を主体としたニューコム製戦闘機R-103"デルフィナス#3"
元々は紺碧に染め上げられていた機体は、翼端を黄土色それ以外を全て漆黒に染め上げられ、主翼にはUPEOのマークと"SARF"の4文字が描かれていた。

「すごい・・・・・・・」

正直な感想だった
旋回性能や加速力、どれを取ってもいままで乗っていたハイパーフランカーの数段上の性能で、クリスがいままで乗り込んだコフィンでも最も扱いやすい機体だった

『どうだ?新型の感想は?』

エリックの声が聞こえると同時に、クリスのデルフィナス#3のすぐ隣に漆黒のカラーリングのXFA-36C"ゲイム"が現れた

「文句無しです、これならどんなヤツが相手でも倒して見せますよ」

クリスはそう言ってデルフィナス#3をロールさせた

『だったらそろそろ降りてこい、また始末書書きたいのか?、それに学校のレポートも貯まってンだろ』

クリスはそれを聞いて、渋々デルフィナスを下降させ始めた
同時に、レーダーに数機の機影が写った

「なんだ・・・・・・?」

クリスはそう呟きながらHUDを最大望遠にして機影が移った方向を見た
そこには3機のC-1と呼ばれる大型の輸送機が護衛機と共に滑走路から飛びだっているのが見えた
その全ての機体の垂直尾翼には蒼い滝のマークが、ついこの間クリスが撃墜した機体のと同じマークがあった

「あのマーク・・・・・・・」
『この前お前が撃墜した未確認編隊の査察団だな、いま飛んだのは・・・・清流公社の連中だな』

清流公社、数年前からユージアに進出してきた東洋の企業体で、新たな勢力として警戒されている企業だ

「清流公社か・・・・・・・・」

クリスはそう呟いて輸送機の尾翼に書かれている蒼い滝のマークを見つめた

濱霧 緑炎さん
01.20.AM 更新