底なし宝箱

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One (11)

 ―――ニューコム ダースバード空軍基地

並べられたR-307輸送ヘリはシステムチェックを終え次第、順次ローターを回し始めている
そして並べられたダースバード空軍基地に駐留する第一空挺師団の兵士達
それには並ばずに自分達のヘリへと向うリュック以下三人
 「それにしても、なぜUPEOがニューコムを狙うの?」
基地司令の訓示など別所属の三人には必要無い、三人は用意された高速ヘリへと足を進める
 「・・・UPEOは解散しゼネラルも非常勤の空挺部隊を何故ニューコムだけに常時存在しているか知っているか?」
エリカは首を振った
 「二つの大国と結んだ武器提供・技術供与のお陰でニューコムには大量の外貨が流れ込み必要以上に潤っている」
 「それを妬む人間もいるって事さ。特にUPEOは公務的な要因が大きいから貿易とかが出来無いんだよ」
とアーケリスが冷静に捕捉
 「それにUPEOは焦ってるんだよ。両社からの支援が無くなれば独自開発どころか戦闘機すら回って来ない」
 「もしかするとテスト機をUPEOのイージス艦と衝突させるために特殊な攻撃オプションを選択したとも考える」
 「UPEO艦に被害がでれば事故調査を名目に資料が摂取できるしね。それに多額の賠償金も」
彼らの用意された小型高速ヘリR-308、二人+護衛隊員+両舷の機銃で一杯一杯の輸送量の少なさと高速性が特徴
一つだけ外れたヘリに二人は乗り込み銃座が出入り口を塞ぐように低位置へ、次第にローター音は大きく響く
 「幸運を祈る」
親指を立てて離れるアーケリス、パイロットが周囲を確認してからスロットルをMAXへ
機体が先陣切って舞い上がり上空で方向転換、目指すはUPEO所属の宇宙開発基地へ
空挺隊員を乗せたヘリも横一列で離陸、足並みを揃えて移動を開始する
 「そう言えばエリカ、さっきはモバイル借りて何をしたんだ?」
とヘリの音から逃げる様にヘッドセットを抑えるエリカ、白髪が迷彩によって引き立っている
 「友達に小さなお願いをね」
 

 ―――UPEO第2護衛艦隊所属イージス艦 フォーゲン・ワルツ

 「不審な機影?」
修復が終わったばかりの最新鋭艦はテスト航行を兼ねた海域で不審な5機を確認した
テストで作動させたレーダードームが正常に作動した印でもある
 「はい。友軍信号が出てはいあますがフライトプランに無い機体で・・・」
 「艦長、本部より通信です」
慌てて階段を駆け下りてきた通信員、艦長の前で敬礼すると通信をモバイルで呼び出す
 「読み上げろ」
 「貴艦付近上空を航行中の不審機へコード487にて攻撃せよ、詳細は只今より転送を開始する」
慌てて通信員のモバイルを受け取る艦長、転送された膨大な資料に目を通しながらCICを徘徊
一通り読み終えるとモバイルを返し自分の帽子のつばを深く下げる
 「不審機へ攻撃を行なう、使用可能な攻撃オプションは?」
 「ハッ、スタンダード対空ミサイルなら今すぐにでも発射可能です」
振り返ると巨大なレーダースクリーンを見あげ確認、たしかに射程を示す円の中に不審機御一行
 「直ちに攻撃を開始しろ」
 「「「「「ハッ!」」」」」

 「?なんだ?」
 『どうしたイーグルワン?』
 「ミサイル接近警報だ、付近に敵は確認出来ないのに」
 『どうせ整備不良だろ、本物が飛んで・・・・』
飛んできた、突き刺さった白い矢は爆発し機体を木っ端微塵に撒き散らす
幸いにも脱出装置は作動したようだ、遥か上空に白いパラシュートが開いたが誰も見ない
 『全機離脱!離脱しろ!』
瞬く間に距離をとる護衛機と上昇を始める代表専用機
 『何処だ?何処からの攻撃だ?!』

 「一機撃墜、残り四機」
 「二番装填完了、FIRE!」
 「三番装填準備に入ります」

 『CQ!CQ!何とか速度をあげれませんか?!』
 「無茶を言うな!フルスロットルだ」
 『これでは護衛機が絶好の的だ!』
そんな会話の中で別の一機がミサイルの餌食に、食らい付かれたら羽を持たない人間は死ぬしか無い
脱出しない限り
 『CQ!イーグルスリーがベイルアウト!』
 「なんとか持ちこたえてくれ!」
 『そちらこそ無茶を言うな!死ねと言うのか!』
 『攻撃元が分かった、見方のイージス艦だ!』
 『誤認か?』
 『無線封鎖中で確認不可!』

 「目標二機撃墜、三機を逃しました」
 「パイロットは二名ともベイルアウト、急難信号が出ております」
 「よし・・・面舵10、可愛そうな捨て駒を回収する」

 「コード487?」
エリカの抵抗虚しくリュックに散々脇下の感覚神経を刺激された末、UPEO情報部の権限を漏らした
 「そ、正式名称は情報部の調査に基づくUPEO犯罪者への対処マニュアル487条によって下される攻撃命令」
 「さっきのモバイルは、それか?」
さもエッヘンと言わんばかりに胸を逸らせたエリカ
 「ちょっとは見返した?」
 「・・・・・ちょっとだけな」
 『後方より機影!』
報告よりも早くヘリを衝撃と爆音が襲う、そしてヘリの前に姿を現した機械の鳥
巨大な戦闘機は彼らの目の前でパンクすると旋回降下で彼らの視界から消える
護衛の隊員も揃って巨大な戦闘機を目で追った、ゼネラル製戦闘機F-38は低空で更に加速
他の機体が追いつき陣形を組むと更に更に加速、ヘリを追い越し同じ目的地方面へ
 「あれも君の力か?」
首が取れる勢いで彼女は首を横に振った

―――UPEO所属 宇宙開発基地

 「目標視認、数三」
 「予定より二機少ないな・・・どうしたんだろ」
滑走路でスコープを覗き込む二人、それに整備担当の職員が姿を見せ始める
彼らの目の前で代表専用機は徐々に減速、ギアダウンと同時に主翼が広く大きく展開
高度を落とし後部ギアからタッチダウン、彼らの目の前を減速しながら通過する
そして護衛の二機は着陸を確認してから高度を上げ安全高度までの離脱を計るが、ソレより早くに二機はスクラップに
爆発・炎上
機体は重力に引かれ滑走路上へと墜落、上空をふわふわと二つのパラシュート
 「なんだ!何が起きたんだ!」
職員全員で目を見開きフリーズ、そんな固まった彼らの上空を五機の編隊が堂々と通過する
 「ゼネラル!ゼネラルだ!」
だれかの叫び声と共に後続ゼネラル機が接近、しかも対地ミサイルらしき物を発射しながら彼らへと迫る
だがソレは爆発はしない、発射された代物は発射後も白煙を発生させ続けていく
視界は悪くなる一方、それでも白煙は立ち退かない
むしろ立ち退かない代物なのかもしれない、奇襲に置いて相手の目を奪う事は大事だ
 「・・・・・・・・・・嵐が来るな」

CAN電池さん
01.20.AM 更新