底なし宝箱

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One (12)

 ―――ニューコム メガフロートⅡ所属 第一強襲艦隊

 「艦長、作戦開始命令です」
予定通りにヘリは全機通過した、それを確認次第作戦は始まりの鐘を鳴らす
 「<バックヤード作戦>発動」
 「了解、オペレーション・バックヤード発動」

作戦開始の合図と共に高速揚陸艦の前部が開き甲高いプロペラ音と共にホバーが前進を始める
赤い帽子の乗組員が出撃の合図を運転席に見せ、ホバーは持ちうる最大の出力を発揮する
姉妹艦からもホバーが出撃、海兵隊を乗せたR-305ヘリも離陸し目標を目指す
先遣隊を出撃させた後に本体が移動を開始する、揚陸艦はエンジンを温めながら待機
作戦は銃声を上げる事無く、静かに始まった

 ―――ゼネラル C-24

 「目標地点です!」
 「直ちに降下だ!落着後は目標の確保に専念しろ。ニューコムとの共同歩調もありうる、無線は聞き逃すな!」
 『『『『『『『『『『了解』』』』』』』』』』
威勢の良い返事が帰ってくると同時に全機の後部ハッチが開かれる
遥か真下には宇宙開発基地、因縁の場所でもある
 「UPEOに邪魔された作戦がニューコムの妨害無しで始まるとは、皮肉なものだ」
 「全機投下!投下せよ!」
開ききったハッチからアントリオンV2が青い空へと飛び立っていった

 ―――宇宙開発基地

 「Go!Go!」
高速で白い砂浜に乗り上げたホバークラフト、砂埃を巻き上げながら巨体は停止した
ホバー前部のタラップが開かれ前衛役の装甲警戒車が飛び出す、砂浜にタイヤ痕を残し散開
もう片方のホバーも上陸成功、上陸地点を囲む様に4台が配置に付いた
 「ゼネラルの攻撃で視界が悪い。誤射に注意、視認を徹底しろ。行け!」
飛び出る歩兵、視界が悪い白い世界で赤外線スコープとモバイル地図だけを頼りに展開する
 「各班点呼!」
 『一斑異常無し!』
 『二班異常無し!』
 『三班異常無し!』
 『四班異常無し!』
護衛のヘリが上空でホバリング、白い煙が途切れた
 「Bチーム、状況報告!」
 『Bチーム、上陸成功。負傷者無し、全部隊配置完了。異常確認できず』
 「本隊に連絡、上陸地点確保」

 「先遣隊、上陸成功」
ニューコムクルーが全員着装するヘッドセットをつけた兵装長が展開図片手に作戦進行報告
残りの全員は白煙に包まれた元ニューコムエリアを懐かしげに眺めていた
 「・・・・よし、上陸部隊に突入ポイントを指示させろ。確認次第突入する」

 「ジェイン!」
呼ばれた兵士は姿勢を低く小隊長の元へ
 「本隊からレコンキスタ、マーカー頼む」
 「了解です」
小隊長から赤いプラスチックバーを受け取るとホバーの中心部へと走る、ピンを引き抜き深々と突きたてた
鈍い音と共に白い棒から目には見えない特殊な電波が揚陸艦へと送信された

 「マーカー確認」
 「全速前進、上陸部500で機関逆進。僚艦からの進路波に留意、上陸部隊に出撃準備」

 「全員退避!」
防衛網を広げつつ上陸地点から遠ざかる兵士と車両、巨体な揚陸艦は意外と高速で航行できる
突入直前から逆進で減速するが突入シーンは砂浜と海水を巻き上げ、まさに壮観な光景
数秒後、巻き上げれるものを全て巻き上げ二隻が砂浜に乗り上げた
 「周辺警戒!誤射は避けろ!」
前部ハッチが開かれる、最初に兵士が上陸し足場を確かめると装輪警戒車が慎重に姿を現す
装甲輸送車が二両、最後に姿を現したのはキャタピラを軋ませ上陸した
 「全車両上陸確認!各部隊に通達、前進命令!」
 『全隊前進!』
 『全隊前進!』

 「うわっ!」
中の警備兵達が慌てて外へ飛び出すとアントリオンの右前足が外部警備室Aを踏み潰す
地上からの機銃にも耐えうる装甲に警備兵の持つ火器が通用などしない
右足を突っ込んだまま上部の砲塔が回転し、無人の外部警備室Dを砲撃
一発で跡形無く消滅させた、元外部警備室Dを他のアントリオンが蹂躙し別の警備室を吹き飛ばす
視界は無いが同士討ちする事は無い、至って冷静に外部の対空・対地攻撃施設を殲滅し今し方警備室も消した
これで外部に存在する抵抗勢力は消え失せ、若干の抵抗も今は皆無
 「ヘリの音だ・・・聞こえないか?」
とアントリオン部隊長は隣の補佐役に尋ねた
 「外部抵抗排除完了、目標の前部を確保」
だが制圧方向が会話を中断させる
 「アルファとベータ、それにデルタとエコーで内部へ突入しろ。発砲は控えろ」
 「了解」

 「目標確認!」
 「全車両展開、周囲警戒を厳にしろ!」
高速で滑走路を走りぬけた前衛の車両4台が尾翼を中心に展開
装輪警戒車が後部へ待機し装甲輸送車が両後部ハッチ隣で停車する
 「Go!Go!」
輸送車の後部扉が開放され黒の隊員達が姿を現す、数名が警護に回り全員で高いハッチ下へ
 「ジェイク・ユウヤ、突破口を開け。他のA隊員は反対側から上部へ、B隊員は貨物搬入口へ」
隊長の指示と共に二名がハッチ上部へアンカーワイヤーを射出、自分のモーターへワイヤーを噛ませ上昇
二人がラペリングで両隣を確保、即座に爆破の用意にかかる
他のA隊員は機体上部へ、窓突入の際は常に上部から攻める
下からのルートは時間が掛かる、大量な人員を瞬時に送り込むのが定石

 「さっきから、いやな音を聞くんだが・・・」
と特殊爆薬に信管を刺すジェイク
 「ヘリだな、友軍のヘリ・・・・それにアントリオンが近くにいるはずだ」
その爆薬をハッチ固定場所へと仕掛けていく、最後の一個を剥がれない様に押し付け準備完了
 「ユウヤだ、準備完了」
 『了解、合図と同時に爆破しろ』

 『ユウヤだ、準備完了』
 『了解、合図と同時に爆破しろ』
 「さすがはユウヤだ、仕掛けるが早い」
ハッチの周囲を警戒、警報装置を一つ一つ解除、そして最後のコードを切断した
 「ぼやかない、コッチも急ぐのよ」
ハッチを押し開け一人が確認、敵の有無を確認すると手のひらで作るGoサイン
一斉に隊員が内部へと入って行く
 「Bチーム、城門を開いたわ」
 『急げよ、時間が無いぞ』

 「さっきから変な音が聞こえるんだが・・・」
アントリオンの後部が前部ハッチへ接続、仲間が電装系を弄っている所
 「ニューコムだろ、ヘリの音もするし」
 「開いたぞ!全員突入準備」
全員が黒いマスクを鼻まで掛けた

 「ユウヤ。カウント3で爆破、他のメンバーも合わせるんだ。いくぞ」

 「アントリオンベータが繋がった、全員突入」

前から突入用のグレネードが放り込まれ、後ろからは爆音が響く
 「Go!Go!」
 「全員動くな!その場で伏せろ!伏せるんだ!」
護衛のUPEO職員が銃を抜いたが前と後ろから攻められて、大人しく銃を手放した
 「行け!行け!」
 「顔で確認しろ!左右に展開、徹底的に洗え!」
白煙を発生させる筒が飛び交い怒号が響く、ズシズシと響く足音と視界で輝くフラッシュライト
 「見つけたか!」
 「見つけたか!」
 「まだです!」
 「まだです!」
そして中間、お互いに銃口が向き合う
一斉に構える隊員達、レーザーポインタが交錯する
 「止めろ!撃つな!」
 「止めろ!撃つな!」
全員が制止、そして向き合う二人の小隊長
 「・・・・・其方(ゼネラル)が外を、此方(ニューコム)が中を担当しよう」
 「・・・・・いいだろう」

 『地上部隊から連絡。Eは確認できず、繰り返す、Eは確認できず』

CAN電池さん
01.20.AM 更新