底なし宝箱

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One (7)

 ―――マイアミサイド 48ストーリー側 Cafe-chat

 「おう、お待たせ」
と席に腰を下ろすUPEO情報部部長、向い側には休暇中のコーヒーを楽しむニューコムテスト小隊のアーク隊長
寄ってきた今では珍しいウェイターにコーヒーを注文すると机の上で手を組んだ
 「それより用件はなんだ?」
 「例の子烏君だよ。相変わらず烏は賢いよ」
皮肉かコールネームか情報部部長は小隊長を烏と呼ぶ
 「燕さんは4年間手塩にかけた自分の子供をお忘れで?」
逆に小隊長は情報部部長を燕と呼ぶ、互いに不機嫌な顔はしないのだが
 「・・・・そうか、リュックか」
 「あぁ。貴方が士官学校で四年間鍛え上げた男、今じゃテスト小隊にも馴染んで。使いやすくてありがたいよ」
年下の言葉に懐かしそうな表情を浮かべ感慨に耽る
 「・・・・彼が、か」

 ―――サイドビーチ487 テロリストのアジト 正面

 「それじゃ、リュック。準備は?」
3人の簡単な名前紹介を終えるとテル巡査部長は裏を通りパトカーへと向う
残されたリュックは自慢のNP52カスタム、いつでも発砲可能
ユリカはモバイルを手にリンクの設定を終えた所、接続の文字と同時にカメラには何かの映像
 「いつでも始めてくれ」
返事と同時にモバイルのタッチモニターを2回叩く、するとユリカの車がエンジンを吹かし始めたでは無いか
丁寧にパネルの上で指を動かす、魔術で操られているかのごとく車も彼女の指に従って動き出した
急発進から二人に並ぶポジションまで走るとドリフト、後輪が滑り犯人の車に頭を向ける様に停車
 「行け!」
リュックが飛び出し5発を掃射するファイブバーストで敵の頭を抑える、隙を見つけてユリカは車まで走るとドアを開く
とりあえず簡易塹壕を作りトランクへと回りこむ、開けばトランクとは名ばかりの武器庫がお披露目
その中の一つ、全体的に小型化・集中化されたショットガンの拘束を解きシェルと呼ばれる弾薬をポケットに詰め込んだ
前線に戻るとシェルと詰めスライドすると片方の前輪に向けて発砲、だが潰れない
 「防弾タイヤか・・・。窓ガラスを崩せ、頭は出せないはずだ」
銃撃を続けながらも器用に滑りこむリュック、マガジンを取り替えると自分のサックへと戻した
 「俺も何か借りるわ」
そしてトランクへ、別に悪い事ではないが
で途切れた攻撃の隙を突き敵が反撃を開始する、しかしながら流石は防弾車
凹む音はするが壊れる音は皆無
 「何をしてる、撃ち返せ」
手にしたライフルにマガジンを乱暴に叩きこむと身を乗り出し掃射、窓が割れる音と敵の怒号が響く
連続して続くゼネラル製ライフルの銃声と不定期に銃声とスライドの音が入り乱れるUPEO製ショートバレルショットガン
適度に打撃を与えるとリュックは助手席へ乗り込みつつ攻撃、ユリカは運転席へ座りシフトをバックへ
アクセルを踏み込み白煙を上げながら黒いセダンは遠ざかる、そのままブレーキと同時にハンドルを切り前輪を滑らせる
180°回転したセダンは助手席からの銃声を残しながら走り去る、もちろん逃がすような敵では無い
犠牲となった同志達を思いながらも2両の車へ分譲し追撃を開始する
三台が去った後、静かになったしょう正面道路
そこへ姿を現す緑と白でペイントされた警察車両
 「特務警備457より本部。287発生、現在テロリストはサイドビーチからマイアミサイド方面へ逃走中」
 『本部了解、至急追撃に向ってください』

 「こちらマイアミ47、3台が暴走中、追跡する」
 『本部よりマイアミ47、先頭の黒いセダンはUPEO所属の模様。黒いセダンには手を出すな』
 「了解」

 「マイアミ71より本部。例の車両陣と交差した、追撃を開始する」
 『本部、了解』

 「マイアミPH1より本部、例の車両陣を捕捉。先頭は黒いセダン、後続二台はオフロード関連の大型車で同車種
  また3台は銃撃戦を繰り広げながら暴走中の模様、追跡を継続する」

 「大層な行列になってしまったようだ」
ちなみに今の状況を説明するならば二人-犯人-お巡りさん大量、ヘリが飛び回り後ろからは弾丸
防弾装甲に命中する度にボコボコと音がなる中、二人は至って冷静に逃走劇を演じていた
銀色に輝く葉巻サイズの棒を口に銜えるリュック、ライターで先端を加熱すれば銜えた方から白煙が上る
ユリカはソレを嫌そうに見つめながらエアコンを作動させた
 「私、あんまり煙草ダメなんだけど・・・」
 「単なる精神安定剤だ。煙草とは違う・・・・・君も吸っておけ」
と別の一本を取り出し嫌がる彼女に銜えさせると拒否させる間もなく加熱、同じように白煙が口から溢れた
 「・・・・ふぅ」
嫌がる彼女も観念して一呼吸
 「苦しくない・・・・」
 「熱を吸収してアセミリオアルトペチ・・・要するにリラックス成分を作るナノマシンの応用。半永久的に使用可能」
 「ふ~ん」
と二人で銀色の棒を銜えながらも黒いセダンは一般車を追い抜きオフロード2台が後を追おう
更に後を追う警察車両推定12台と上空の警察ヘリ1機、御近所住民からすれば迷惑の極み
 「そろそろバリケードの構築が終わる頃だ、無理に突破しようとするなよ」
 「なら、どうするの?」
リュックは白煙を吐き出すとサイドミラーで後方を確かめる、ありがたい事に車両は大量
 「考えがある、大丈夫だ」

 「来たぞ!全員配置に付け!」
横一列に並べられた警察車両に後方配置の大型運送車両、その間を武装した警官と特殊部隊隊員が走る
パトカーを盾に銃口を走ってくる一団へと向けた、目標は二台の白いオフロード
 「黒いセダンには当てるな!目標はオフロードだけだ!」
徐々にサイレンの音が大きくなり赤と青のライトが輝く、そして先頭の黒いセダンがスピードを落さずに走ってくる
 「!!」
運転席には女が座り助手席の男はシートベルトに手を伸ばす、スピードは落ちて無い
勿論白いオフロードもパトカーの一団も減速しない、そして先頭車両の黒いセダンは・・・
 「退避!!」
思わず現場の上司が退避を叫ぶ、呼応する様に逃げ出す警官陣
だが彼らを嘲笑うかのように黒いセダンは急旋回、ドリフトで180°回頭すると後続へと牙を向いた
逆走、慌てた後続は当然の様に回避を始める
だが高速走行中に正面から突っ込んできた物体を回避できるのに冷静でいられるか?と問われれば不可能だろう
まず最初の被害者は2台のオフロード、回避に急旋回で対処するが元に戻ろうとした2両が接触しパトカー陣へ突っ込む
4台程度を巻き込みオフロードは完全に停車すると沈黙した
流石にオフロードの後ろは訓練を受けている所為か接触なんてヘマはしない
だが慌てた結果、各車両は不規則に停止し全員が全員の動きを封じる
で混乱の大本は何事も無かったかのように走り去り彼らの視界から消えていく
警官達は彼らを見送る事しか出来なかった

CAN電池さん
01.20.AM 更新